ある大リーグチームが、新監督の手によって、生まれ変わりつつあるのをご存知でしょうか?
昨季まで4年連続でア・リーグ中地区最下位だった球団です。
ところが、今季は開幕3連戦で一昨年のリーグ王者に3連勝。
一時は地区首位にも立つ見事な健闘を見せています。
日本のプロ野球球団、日本ハムの監督時代にチームを日本一に導いたテキサス男の再建術とは・・・・・。
ロイヤルズがトレイ・ヒルマン新監督のヒルマン流再建術によって、生まれ変わりつつあるのです。
ヒルマン流再建術|人心掌握・対話で活路
ヒルマン監督の再建術のなかで最も特筆すべき能力は・・・という問いに、 ヒルマン監督に請われてチームに同行しているロイヤルズ顧問の白井一幸氏(前日本ハムヘッドコーチ)は、「選手一人ひとりの心にアプローチする能力」がヒルマン流再建術だと言い切った。
ヒルマン流再建術を語るエピソードとして、彼の人間性が現れているのは、日本ハム時代のヒルマン監督が、子供が生まれた選手に対し、家族のもとへ帰れるようにと、ポケットマネーから飛行機のチケット代を工面したことです。
ロイヤルズでもヒルマン流再建術を語るエピソードとして、キャンプ前からチームの一人ひとりとコミニケーションを図ったといいます。
彼の再建術のなかでも、チームの全員のハートを射止めたのは、4月8日に行われたヤンキースとの本拠地開幕戦です。
試合前のセレモニーで先発メンバーだけでなく、一塁線に沿って並んだトレーナーなどの裏方スタッフや控え選手一人ひとりと握手を交わし、観客の心まで魅了しました。
ヒルマン監督は就任会見で「押しつけでなく、対話によって活路を見出したい」と、再建術のノウハウを語っています。
白井氏はヒルマン流再建術を「どうしたら選手たちが心地よくプレーできるかを常に考えている」と指摘する。
米国以外の出身者が28%を占める国際化時代の大リーグ。再建術を語る上で、対話能力がいかに重要であるかが分かります。
ヒルマン流再建術|意識改革
ヒルマン監督はヒルマン流再建術の次の手として、選手たちの「意識」にメスを入れました。
資金力の豊富な球団なら、資金力にものを言わせて大砲を揃えることができます。そんなチームに勝とうと思ったら、スピードでかき回すしかないのです。
ヒルマン監督は、選手たちのプレイをコンマ1秒でも縮めさせようとベンチの中にいるときでさえストップウォッチを手放すことはありませんでした。
さらに日本ハム時代からの盟友である懐刀の白井氏は、緻密な日本流戦術を浸透させようとビデオ映像を駆使したのです。相手投手がけん制球を投げる時のくせを見破り盗塁につなげる成果をあげています。
こうした再建術のおかげで、選手たちに機動力で奪った1点を守りきる意識を徹底させました。基本に忠実なプレイを徹底することにも時間を費やしました。春季キャンプからバント処理や中継プレーといった細かい守備練習にも多くの時間を割いたのです。ミスが出ると、必ずプレーを止め、もう一度同じプレーを何度も繰り返させたのです。守備率は見違えるようになりました。野球はいかに守りが大切であるか、選手は再認識させられたのです。